全国展開型:企画ライブ【mk-fes】

各所属団体の枠を超えた映像×音楽式の対バンイベント

vol.7 ライブレポート








mk-fes.vol.7、無事収録完了しまして、終演いたしました。

このサイトを開き、再びライブレポートを書く機会を得ていること自体が、

半ば信じられない気持ちでいます。

本当にどうも、ありがとうございました。







例によって、1ユニットごとに振り返ります。





【 Opening Act:mioddd 】

00. 赤い煙突 / mioddd



「家にいる感覚」になる声、の人を、めちゃくちゃYoutubeで探したことを覚えています。星野源のアルバム、「エピソード」のイメージです。Openingの映像にも記載した、「創造 → 接触 → 解放」というのが今回のfesの軸となるポリシーで、かつその創造・創作(的)行為が、どんな人であれ「家」という原点からスタートすることを軸に、声質を精査して上でオファーをした、という運びになります。

曲自体はmiodddさんにお任せし、今回のセットリストの流れとは別のものになります。そのため、Youtubeでは「赤い煙突」のみ切り分けた映像としてアップロードします。丸々カットなんぞ勿体なさ過ぎる。mioddd氏にとっては初のライブハウスでのライブという、貴重な記録です。




 

【Opening Event】

① 【合唱曲】芦田愛菜、と、仲間たち(映像)
②  駿河亭悪団治 《 From 徳島 》
③ mk-fes.vol.7 Opening MOVIE 

 

合唱曲 芦田愛菜、僕はとても好きです。
風呂で思いついて、飛び出して、すぐiphoneに吹き込みました。
「魔の遅刻ライン」のトプ画が彼女なのは、伏線です。
(くだらん......)


駿河亭悪団治は、vol.3、vol.5は映像収録という形でしたが、
接触」というナマナマしさを表現したく、徳島から飛び出しきてもらいました。
(遠方からたくさんの方をお呼びした背景でもあります。)

落語(風)の口上を考えるのが毎度毎度、至極、難しい。

[ …… 泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目、一難去ってまた一難とはまさにこのこと …… ]

これは、ワカさん(駿河亭悪団治)も、僕個人も、かなりお気に入りの言い回しとなりました。




よろしくお願いを申し上げます。
駿河亭悪団治と申しまして、一席お付き合い申し上げます。


さて、2015年に始まりましたmk-fes、大学卒業までに5回の企画を打ち、
さぁさぁ6回目に差し掛かると言った頃、東京になんと珍しく台風直撃、首都圏のJRは計画運休、これでは帰宅困難フェスティバルになってしまう危険性をかんがみまして、世にも珍しい「雨天順延」となった次第でございます。


さぁこれは困ったmk-fes、もう一度日程を組みなおすも、なんとそこには【COVID-19】。


泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目、一難去ってまた一難とはまさにこのこと、
我々の精神を【解放】させる音楽を鳴らす道は
もう大きく断たれたかと思った時こそ、また音楽が救いとなる訳でございます。


まだお客様を入れるには恐れ多い状況であったとしても、少しずつ顔を合わせて空間を共有し始めることが、大きな一歩になることに違いないと、私(わたくし)は今日、徳島からはるばるやってきた訳でございます。


ここには色々な人がいます。毎度おなじみの方々、久方ぶりの出演の方々、とある男からあやしいDMが送られてきた方々、それぞれが、今日この地で遺憾なく日頃の成果を【自由に】発揮されんことを、切に、切に、願っております。

画面の男をごらんください。まさしく彼が【自由】そのものでございます。
【あぶれてはみ出してしまった皆さんも、世をずらせば、そこが真ん中でございます。】


世知辛い世を【さすら】う中でも、【時代を語るのは自分次第】。


mk-fes.vol.7、ここに開演でございます。




上記が、最初に僕自身が出した原案です。

ここから、ワカさんが手直ししてくれて、本番の仕上がりになりました。

【       】の中はセットリストに含まれるリリック(歌詞)の一部です。どうしてもワカさんの口上に入れ込みたかった内容。聞き手の人にどれぐらいキャッチしてもらえていたのか不安だったので、今回はあえて書き出してみました。

モノを書いて、人前で話すことを現在の仕事の一部としている以上、ここに原稿をUPするのはやはり怖くて仕方がないのですが、内容の質については、みなさんの方で評価を下して頂ければと思います。

 

 

 





Openingの映像(『M:創造』)についても、今回かなり詳細までこだわった作りにして頂きました。

 

スタッフ永谷ちゃづけ。最初に出した原案は以下(一部省略)。

 


※秒数カウントはYoutubeリンク参照

0:14~0:33 歌詞のみ
0:34~0:38 
「mk-fes.vol.7 START!!」を、
「mk-」「fes.」「vol.7」「START!!」に切ってちょっとずつ出す

★以降 歌詞はずっと出ている
★以下、出すキューとなる歌詞の抜粋
【 】は【 】のタイミングで

「何か」 人名と写真1人目
「出そうぜ」 コメント1人目

「の提案」 人名写真2
「誰もい【ない】」コメント2

「いちを」人名写真3
「出そうぜ」コメント3

「MAGIC」人名写真4
「色褪せ【ぬ】」コメント4

「繰り返し【て】」→人名写真4コメント4消す

「僕は【生まれ】変わった」人名写真5
「いくど【め】の始まりは」コメント5

「【よ】どむこの世界で」人名写真6
「【あ】そぶためにある」コメント6

「【く】ばられたは」人名写真7
「【な】てふだを」コメント7

「【に】ぎり」人名写真8
「【か】える運命を」コメント8

「【あ】ぶれて」人名写真9
「【は】はみ出し」コメント9

「【た】世をずらせば」人名写真10
「【ま】ん中」コメント10

「【な】んかつくりだそ」人名写真11
「【う】ぜ非常識な」コメント11

「【提】案誰も見」人名写真12
「【ない】場所から一筋の」コメント12

「【未知】をつくりだ」人名写真13
「【そう】ぜそうさイエロー」コメント13

「【マ】ジックやめられ」人名写真14
「【ない】遊びを繰り返し」コメント14

「【た】進化を」人名だけ!15
「【君】に外れ」写真だけ!15
「【者】に授ける」コメントだけ!15

間奏:「創造 接触 解放」 を点滅させつついい感じに出してほしい(何を言ってるんだ?)

「死の【淵】から帰った」人名写真16
「生かさ【れ】たこの意味は」コメント16
「【い】のちと共に」人名写真17
「【あ】そぶことにある」コメント17
「【ぼ】くらふざけ」人名写真18
「【た】生き物」コメント18
「【も】ろく」人名写真19
「ひ【しゃ】げた文明の」コメント19

「【制】約」人名写真20
「【の】屋内」コメント20
「【で】気をずらして」人名写真21
「【そ】とがわ」コメント21

「【目】下ひねりだ」人名写真22
「【そう】ぜひらめきの」コメント22
「【妙】案かれきさい」人名写真23
「【た】場所から手をふるふ」コメント23
「【つう】とバタつく」人名写真24
「未【来】を水平に見た」コメント24
「【考】案 とほうも」人名写真25
「【ない】学びを繰り返して」コメント25

(2:59)人名写真26
(3:01)コメント26
(3:03)人名写真27
(3:05)コメント27

「【と】きのたいかい」人名写真28
「【で】喧噪の波間」コメント28
「【で】おどろいた」人名写真29
「【え】がおみせて」コメント29

「【目】下走り出」人名写真30
「【そう】ぜ物作る」コメント30
「【冒】険あり得ない」人名写真31
「【さ】全ては馬鹿げた」コメント31
「【妄】想現れる」人名写真32
「【様】相目の前の」コメント32
「【風】景たすきだい」人名写真33
「【た】遊びを繰り返し」コメント33

「繰り返し」 ・・・ 歌詞中央で点滅させる

「【何】か創り出」人名写真34
「【そう】ぜ非常識な」コメント34
「【提】案誰もい」人名写真35
「【ない】場所から直接に」コメント35
「【いち】をつくりだ」人名写真36
「【そう】ぜそうさイエロー」コメント36
「【マ】ジック色褪せ」人名写真37
「【ぬ】遊びを」コメント37

「繰り返して」 
・・・「produced by mks」

(4:00)「映像製作・オペレーション 永谷ちゃづけ / 有馬武蔵」
(4:01)「サイドサポーター Maiko
(4:02)「撮影スタッフ 滝瀬航生」
(4:03)「話す人 若林宏明(駿河亭悪団治)/ 鈴木敦史」
  → これは1行ずつ計4行になるように

(4:04) CREATE!!(おっきめ かわいく)

 

 


狂気。最初この案を見たときのちゃづけの絶望は如何ばかりか、といったところでしたが、無責任にボタン一つで送り付け、リアクションを待ちました。「キューが変態」、というニュアンスの返答を受けたうえで、作業開始。無事、ゴールまで着地しました。

永谷ちゃづけという人間はいつも、ボディから取れかかったネジを修正することなく暴走する自転車(なぜか四輪)みたいな動き方をします。馬力というか、根っこにある力強さが自分自身にはなくて、素直に尊敬すれば良いものの、その暴走具合に愕然としつつ心配が勝つ、といったところが、落ち着く表現な気がします。

いつか本当の故障が起きないことを祈りつつ。本当に毎度毎度ありがとう!



▼▼▼ Opening Movie(高画質版) ▼▼▼

 

www.youtube.com

 

 


【 1部1番:味噌工房 (with collaborators)】

01. さすらい / 奥田民生
02. あのねBaby / TRICERATOPS
03. グラスホッパー / スピッツ (covered by ASIAN KUNG-FU GENERATION ver.)
04. Diver / NICO Touches the Walls
05. ピーターパン・シンドローム / Sound Schedule

 
 
味噌工房の中の、新旧カバー曲を上手く織り交ぜられたかなと思います。

fesになるとどうしても何処か、きちんとやらねば、という強迫観念に囚われるため、どこかその感覚を弛緩させる契機となれば良いな、という曲として「さすらい」。「あのねBaby」はMCの通り、目覚ましの曲。個人的な嫌悪感払拭のため選曲。つぼさんの煽り、お手本のようで、「ふふっ」と思いました。「グラスホッパー」は2019年のワンマンライブ候補から脱落した曲。理由は双方覚えていませんでした。サワキ、実はなんだかんだ初参加。人たらし。バンドの音があっても、しっかりマイクに音の芯が乗っかるタイプの声で、キャラクターも相まってサークルでも重宝されていたのだろうなと推測出来ます。「Diver」はつぼさんの音楽アカウント、MCでも公開されていた「秋月紫水」のUP曲を漁りまくって、「これやん...…」となったものを抜粋。偶然知っていた曲だったというのもあります。去年夏頃に引き受けた仕事、めちゃくちゃ静かな職場で、休憩中これ聴きながらサラダチキン食ってたの、めちゃくちゃ懐かしいな(例のダイエット中)。自分にとってはサラダチキンがセットで絵に浮かぶ曲です。ボーカルコラボはさいとうまゆこ。演劇界隈ではもうダントツというか、もはや何界隈なんだっちゅうか、この人が出る時は勢力図が大きく変わるので、ライブの裁き方が180度変わってきます。一気に聴衆を引き付ける力があるので、もっとグイグイ歌の企画etc.をやってしまえば良いのに、と個人的に思っています。「ピーターパン・シンドローム」はコロナ禍の頭に、味噌工房でリモートセッションした曲。1曲、入れておきたかった。ボーカルコラボは波輝さんと河面さん。波輝さんは単独枠の方で詳述。河面さんはワシは勝手に先輩だと思っています。なぜなら3Dだから。

味噌工房はリリックよりも歌ノリで選んでいます。
だから特に、メッセージめいたものは無く、その点は散逸しているという理解でいて頂いて問題ありません。


 

 



 

 

 


 

 

 




 

 
 

【1部2番】Twitter

06. ドライブ / SHISHAMO
07. 阿吽 / ポルカドットスティングレイ

 
 
時間が足りなかった、というのが皆の心のどこかにあれば感覚としては正解なのではないかな、と思います。そこを無理に否定しなくても大丈夫で、むしろ、これから単独で枠をお願いをしていくタイミングで、今回言語化できなかったもやもやを消化(昇華)してもらえれば嬉しいです。

「ドライブ」。今だからこそ。という曲。ワカさんのドライブもめちゃくちゃ楽しかったし、個人的に映像で出した通り免許取得中なので、ネタとしても面白い。現在着々と進行中です。教習所を卒業するタイプではなく、自主練習のうえ警視庁で試験を受ける、俗に言う「一発試験」型です。これ、アウトローなんですね、、、知らんかった。
なぜ今更免許なのか、という点については、今後のMCで言及します。笑

先日りんさんとラインで、台湾についての漠然とした話をしました。これからこの企画をどう転がしていくかは分からないですが、りんさんに限らず、今回の出演者さんが持っている様々なベクトルの知識・経験を大きく、ゆるく、集められる場として機能させられたら、とても有機的なのではないかと思います。

risaさんの「めんちかぁーつ」、都度面白い譜割りだなと思っていました。これから東京のハコ界隈にもバンバン出て行くのだろうと思います。音楽は年齢と実力が比例しない、本当にフェアな世界だと常々感じます。年齢を強調はしましたが、逆「説」的に、自分たちの代(というか、そういう一括りも良くないのだろうけど)もうかうかしてられないぞ、という意志を持っての配置でした。見せないが、腹落ちの自信があるところが特に、これからも個人的にブレないでいてほしいところです。Twitterからずっとそうですが、本当に良い声質の持ち主。あとやや奇人チックな側面がある気がします。

 








 
 

【1部3番】The Age

08. Vegetable / Gotch
09. The Age /  Gotch(feat. BASI, Dhira Bongs & Keishi Tanaka)

 

「Vegetable」は、今回、サブリミナル的に入れていたテーマである「資本」、の問題提起として採用しました。ただ、難しい話がどうとかではなくて、音楽、表現は、根源的に「売り物」ではないということ、我々は誰しもが傷物であるということ、だからこそ、日頃走らせるペンや文字(広義的、好意的解釈としての「メディア」)に言い知れぬ力が宿ること、これら全て、最近切実に感じていたことで、それを究極の形で言語化してくれたものだと、個人的に思っている楽曲です。
 
今回は全体を通して、SSW界隈を呼ぶからこそ、自分自身がブッキングライブについて思っていることも伝えておきたい、というのがありました。これは本当に、「資本」の問題と直結するし、今回のCOVID-19で浮き彫りとなったライブハウスの構造上の課題ともリンクするし。ここら辺は、また別の機会に表現出来れば良い範疇かなとも思います。
 
「Vegetable」は世間的には当たらないタイプの楽曲とGotch本人もよくボヤいてはいるし、無観客だからこそ、こういった選曲も出来るな、というのが、心地の良い二律背反を感じさせられるところです。「Why do you slave to "Capitalism"?」と映像の随所に入れていた着想はこの曲からでした。ささやかながら、英訳担当のみなさんも随所でありがとうございました。笑 一度洋楽フェスもやりたい。数少ない外国人の知り合いを呼んで。Feederの「Youth」とか、Ra Ra Riotの「Each Year」とかは、何度もセットリストの採用線上スレスレまで来て、落ちる。笑 どうしてもリリックビデオをつけるとなると、流れを遮断してしまうんですよね。

誰も笑っていなかったけれど、「CNN よりも mk-fes(フェイクニュース)」というビデオ、僕個人としてはとても気に入っています。「僕らが死ぬまでに続くゲーム」、なんとか、緩く手を取り合って乗り切りっていきたい所存です。

「The Age」の多幸感良いですよね。笑 「時代語るのも自分次第」!
この時代をこのリリックで切り取るか、というBASIさんたちの強さ、というかなんというか。あとよしだみありがとう。



 

 


 


 


 

無駄に良い写真なんよ。

 

【1部4番】波輝 (with collaborators)

10. 勝手にしやがれ / 沢田研二
11. シーソーゲーム / Mr.children
12. 涙のイエスタデー / GARNET CROW

 
 
流れ的にここで「勝手にしやがれ」を入れたい!と思っており、今回は曲単体で検索して波輝さんの声に辿り着きました。イメージどんピシャそのもの。誰も彼もを「上手い」、と形容して、丸め込んで終わるのはちょっとな、と思うことも最近多いですが、良い意味で言語化できない上手さがあること、間違いないです。ピアノも、然り。もはやピアノだけで飲める感じ。そして沢田研二合わせならこの二人だろう、と。各位がオファーOKになった瞬間に、最初に勝ちを確信した曲です。

波輝さんにはスタジオでも言ったのですが、めちゃくちゃ波輝さんの動画を見漁りました。確か、引かれたように記憶しています。そこから、今回のメンバーと上手く合致できる曲を配置。そしてこれもスタジオで言ったのですが、波輝さんの「お望み通り Up Side Down」の回し方が個人的にスタンディングオベーションものなんですよね。めちゃくちゃ鷲掴みにされる、というかなんというか。「そこ?」みたいなリアクションでも... いいもん... mk-fesだもん... ふぉおおおおお
 
「涙のイエスタデー」はサワキと週末の固定バンドでやろうとしてストリングスの関係で脱落した曲でした。言ってなかったけど。成仏させられて良かったです。ハモリの相性もとても良かった。歌詞にも「波」への言及があり、波輝さんの名前とリンクしているというところもあって、最後に配置した次第です。




 

 

 
 
 

【1部5番】ハカタのバケモノ

13.  電光石火 / フジファブリック
14.  化物 / 星野源

 
 
選曲の背景についてはMC映像に譲ります。
また、これもMC内で伝えた曲の解釈を踏まえて、この楽曲に触れて頂けると、より深みが出るかなと思います。むさしくんも本当にありがとう!!!

 

▼▼▼『電光石火 / フジファブリック』 Studio Movie ▼▼▼


www.youtube.com



バンドメンバーに視点を移して。

まずはたいせいさん、本当に今回もありがとうございました...!!

ボーカル本職ではないはずなんですけど、声に良い脂が乗り始めて、電光石火で爆発していた印象です。その正体は、つもりにつもった福岡と東京の移動中の鬱憤などかと思います。何かに対する反動で、「表現」一般は深みを出すものであることは間違いないので、今回の移動は音楽的側面で効果のあったものだと...... 違うか。とにかく良かったです。

ベースめちゃくちゃギア入ってたなぁ。笑 カズキくんはスタジオ以上にライブ映えする男だし、つぼさんのバックで会ったときよりもステージ裁きがオトナになっていて、これからのfesの質を太くしていく人の一人だなと感じています。

「化物」については、とても強い「生」への叫びがあるように感じます。
シングルカットとは言えど、めちゃくちゃ星野源らしさがある曲だと思っていて、
ここまで有名な曲を2回(以前はKaikou live arts stage.1)選んだのは前例がないはずです。ただ、やはり自分自身の受け取り方は、前と全く異なっているように感じます。周囲の環境も全く違うし、軸となる感覚が大きくシフトした背景もあって、ライブの場を借りて再解釈したい曲の一つでした。





 

 


 

 
 

【2部 Opening①】クラリネッター吉田

15. きらり / 藤井風
16. 不思議 / 星野源

 
 
管弦系をバンドから今回一切取り外したのですが、色々なジャンルをごちゃまぜにしてやるというスタンスから、やはりクラリネットなどの楽器陣営もセトリに入れて線で繋いでおきたい、という運びで、今回オファーをかけました。お笑い芸人、クラリネッター吉田。音源もあいまって、良いスーパーマーケット具合でした。
 
ただインストの曲の選定は本当に難しい。自慰的に、好きな曲だけを会場に押し付けるのは行為としては簡単ですが、そうなると地獄絵図になることは、もう過去、僕が所属していたサークルにいた人は手に取るように理解できる部分かと思います(直球の批判です)。何を今さら書いているんだ、と思われるかもしれませんが、怒りの原体験はどんな年齢になっても残り続けるのだな、と思います。
 
アンガーマネジメント、なる言葉がありますが、それは本当に"社会的"であるのか、というのを、関係者各位はもう一度自身に問いただすべきかと思います(その近辺のテーマで出版をしている人間を中心に)。というか、そう感じざるを得ない文献が、最近多方面で増えているような気がしてならないのです。それは時代の潮流なのか、そうやって看過して良いのか、という問いもまた新たに立ちますが、あまりにも本筋からかけ離れているため一旦ここで切ります。ただ、あまりにも怒りを表出しないモードの社会になりつつある気がする。それはある種の全体主義に繋がっていく可能性もあるので(国とか、そういう大きな話をして酔っている訳ではありません。ただ直接的な表記はし難い。こういった面で、テクスト媒体は難しい)。

RYOくん歌ってほしいなぁオリジナル。戦争はちょっと今アレだけど。




 
 

 【2部Opening②】透花。

  17. もらいたばこ / 透花。
  18. 世界一がんばっているあなたへ / 透花。
  19. アネモネ / 透花。
  20. それでも僕らは / 透花。

 
 
「広いお家」への引っ越しをリアルに検討中のため、「もらいたばこ」で現実が目の前にウワーーーーッッッと立ち上がりました。そこかよ、と思った方、すみません。「セブンスター」については過去の出演者の曲のイメージがあるところかとも思います。良い線の繋がり方というか。ここについては、2部3番で言及したいと思います。
 
MCで、「社会のことを教えてください」と連呼していたところで、ツボに入ってしまいました。mk-fesは、反社会勢力です。そう。反社。だから、透花。さんにお伝え出来ることは何もありません。むしろ、透花。さんがどのような視点で物事を見つめるのかの方が、よっぽど興味深い事柄です。
 
惜しかったのは、2曲目で謎のハウリングが数回起きたこと(これはハコ側の問題です)。また、MC中のノイズの処理。編成的に、音響的にはかなりやりやすいはずだったので、PA側のセットの抜け漏れ感が否めないところがあります。他のユニットでも、提出したデータ通りに動けていない部分や、ナカ音がスカスカなユニットが多かったところ、リハでは改善しきれないレベルでの外音とのバランスが明らかに悪かったところなどが散見され、まだまだ技量的に努力を要する部分が多かった印象があります。誤解の無いように再度記しますが、これはハコ側のスタッフの問題です。ここら辺の折り合いは、もう少し慎重に検討していくべき事柄だな、と感じています。


 

 

 

 

 
 

【2部1番】ぐだぐだ

 21. きみがその気なら / チャットモンチー
 22. 虹 / ELLEGARDEN

 
 
 MCでは色々言いましたが、石巻公演、個人的にはとても良い公演だったと思っています、本当に。笑 「きみがその気なら」は、個人的に進行がめちゃくちゃ好きな曲で、サークルでやった時は誘われたバンドでやっただけだったのですが、再度、自分の意志でやることにしました。元出演予定の小倉さんや根本。が倒れたのは想定外でしたが、サポートボーカルのみなさん(エルレ含めて)本当に助かりました。ありがとうございました。エルレはNANO-IRO ELECTRIC TOUR(アジカン共催)のバージョンがめちゃくちゃ良かったので、それを脳内に描きつつ、楽しく出来た曲です。
 
「きみがその気なら」のアウトロには、「虹」のAメロと、「アンダースタンド / ASIAN KUNG-FU GENERATION」を入れ込みました。今からナノイロツアーに脳内シフトしていくぜ~~!という、誰にも伝わらない、興奮。
 
なお、もっと細かい話をすれば、「きみがその気なら」のキーボードサポーターは、アジカンのサポートでも同じsimoryo。そんな繋がりもあります。2曲ともコード帯も同じ。実は策略的な配置でした。







 

 






ちなみにこれをアップロードする今日(2022年5月13日)、ART-SCHOOLの活動再開が発表されました。NANO-IRO ELECTRIC TOURに起因する選曲だったので、詳しくはないですが何とも喜ばしいニュース。これから追いかけてみたいバンドの一つです!奥田民生トライセラの1件と言い、持ってるなぁみんな。色々。笑

 

 


【特別枠】夜明けトリビュート

 23.  東京LIFE / 岩崎 愛

 
 
災難にも程があるだろう、といった状態でしたが、はるるんやバッグダンサー様様のおかげで、何とか体裁が整いました。みんな、助かったぜ...。笑笑
 
コレサワのカバーでバズっていたものを、たまたま見かけることが出来たのがきっかけで、今回のオファーになりました。本当に、我ながら運が良かったなぁ、と思います。
愛知拠点と聞いたときは膝から崩れ落ちましたが、まさかのOKで、こんなことがあって良いのだろうか??と、逆にDMを入念に読み返したことを今でも覚えています。夜明けトリビュートさんから2人で頂いていた、本番想定の仮音源もめちゃくちゃ良かったので、完全体で、そして今度は名古屋で、リベンジさせて頂きたい所存です。こういう、良い意味での後味の悪さが残るのが、ライブのまた醍醐味のように、企画をするたびに思います。
 
あとはるるん単独ボーカルそろそろ。。。やらねば。。。ああぁあと、最後のスキャットマジでいらんことしたなすみませんおじさん歌いたくなっちゃった
 
 






 
【2部2番】 微睡む窮鼠、寅を噛む

   24. あいまいでいいよ / 羊文学
   25. 夢見るドブネズミ / ネクライトーキー

 
 
「あいまいでいいよ」は影の支配者がカラオケで歌ってて知った曲です。そしていやもうこれサワキしかないやん、みたいな。ハモで日下・はるるんやん、みたいな。これしかないだろ、っていう。ギター相原じゃん。ドラム本家より髪短いけどRYOくんやん。ベーススケベやからカズキくんやん、ぽよよん音源といえばげらさんやん(これはネクライトーキーの話)、みたいな。すげえ自然にメンバー決まったところと記憶しています。そもそもこの曲、めちゃくちゃ良い曲なんですよね。なにもかもシロとクロにしなくて良い、というか。本家は恋愛の曲と定義していますが、それ以上の何かがある。最高の1曲でした。

あとやはりGt.外れたい。個人的に。マネジメンターは常にプレーヤーでないといけない、と色々な組織を見ながら思うのですが、それでも、今回の演奏を振り返りつつ、やはりそれなりの限界があるな、というように思います。ただやりたい曲もある。これこは、これからの検討の対象です。

「夢見るドブネズミ」、やっぱりげらさん大活躍でした。Zoom全集のときのBGMでもあります。覚えてたら凄い。笑 リリックビデオ、完全に打ち合わせ不足。これは大きな反省点の一つ。次回、編成を大きく変えて、再チャレンジしなければならない曲の一つです。
 
バンド名。

「微睡む」=「あいまいでいいよ」のリリック
「窮鼠」= 「夢見るドブネズミ」の「ネズミ」
「寅を噛む」= 今年が「寅年」であることと、「窮鼠猫を噛む」を同時にもじり、夢見るドブネズミのリリックの「舐めるな少年!」とリンクさせてる(つもり)、かつ、にしなのワンマンツアー名、「虎虎」と繋げて、2部3番の3曲目との接続を良くしている(つもり)。そもそもこの、「窮鼠猫を嚙む」っていう諺自体がmk-fesっぽいな、みたいなところもある。弱者だって大丈夫。











 

 
 
 

【2部3番】mioddd (with mks & supporters)

 26. 愛の標識 / クリープハイプ
 27. ドキュメント / サカナクション
 28. アイニコイ / アサナユフナ

 

連続性、がテーマのバンド。アサナユフナはにしなが過去やっていたバンド。
「26. 死ぬまで一生【愛】されてると思ってたよ」→ 「27.【愛】の歌 歌ってもいいかなって 思い始めてる」→ 「28. 【愛】に恋がだんだん溶けてゆく」、かつ、全てコード帯が「E」で、かつ、「失恋→新しい恋」という流れも描出できる。こういう、全然違うアーティストたちの共通項を結んで聴くのってめちゃくちゃ楽しいんですよね。セトリを組む最大の楽しみは、ここにあるような気がします。自分でオリジナルをやるよりも、楽しい。

絶妙な距離感のまま世で戦い始めたにしな氏を応援したい心情(信条?)の表出としても、「失恋(もちろん失恋ではないですが、「離別」という観点、音楽は恋愛のようなものとテキトーに捉えて頂いても構いません)→新しい恋(また新しく出会うプレーヤーの方々、参加者の皆さん)」という流れを組めているのは個人的にとても良かったかなと思います。純粋に、ライブ行って、曲聴いて「がんばれ!」というだけでは処理できない感情もあると思うので、このような形で昇華しました。だから、「新しく出会うプレーヤーの方々」、と表記した観点で、透花。さんが偶然、詞の内に「セブンスター」を取り上げていたのが、個人的にグッとくるところがありました。

ずっと続いていくんだなぁ、と思います。良くも悪くも。「大洋航路」(週末の固定バンド)からの、「未来の破片【with 大洋航路】」(アジカン全曲制覇)とかも、連続性という観点で凄く心に残ってます。詳しくは以下を。
 
 
 
キーボードが入り遅れたのもハコスタッフの不手際でした。

先述(2部Opening②参照)の通りにはなりますが、ここは痛かったな、というのが正直な印象です。


 




「ドキュメント」は震災をもとに製作された楽曲です。
 東北の問題についてここに思うことを詳述するのは場違いかと思うので避けますが、
石巻で自分なりに思ったことの一部(ごく一部にはなりますが)を代弁していた曲でもあったので、採用しました。同じコード帯で前後曲と接続でき、かつリリックに「愛」のフレーズが入っている「アネモネの咲く春に」という楽曲もいいかな、と思ったのですが、vol.5でのサカナクションがめちゃくちゃ評判良かったので、今回はその点にも思いを馳せつつ「ドキュメント」を採用しました。

 

【2部4番】 Liberation Zone 

29. 緑酒 / 東京事変
30. 解放区 / ASIAN KUNG-FU GENERATION

 
 
「自由よ いいように 搾取されないで安く売らないで」
「自由の裏路地で魂が カサカサのまま干からびて」

この二面性が好対照的だな、という意味合いでの選曲です。

「創造→接触→解放」というキーフレーズの中にも、その前提として「自由」がなければならない訳で、その中で「資本(『Vegetable』参照)」やこの世知辛い「時代」の連続性をどう語る(『The Age』参照)かが難しいですが、そもそもその「自由」に言及することは、絶対にしておくべきことだろうと、今回のトリはこの2曲にさせて頂きました。

自由はそもそも資本とは別枠で、いやむしろそれを含んだうえで常に享受できる状態でなければならない訳で、その切望の意を「緑酒」に、ただその自由の中にもまた我々ではどうにもならない事象があることにも目を逸らしてはならない、という意を「解放区」に含めたつもりでいます。ここは、「ドキュメント」からの連続性になります。その断片が少しでも(空間を含めて)共有出来れば良いな、という点に起因する選曲です。

側面としてのテーマの「資本」が、ポエトリーの「タワーマンションの最上階からばら撒かれる紙屑」などとリンクしているのもとても良いな、と思っています(そのタイミングでの山さんのピアノの崩し方、都度良かったです)。

こうした解釈を、時間を取って誰かと共有する機会は現実的にはなかなかありません。本当に、貴重、この上ないと思っているので、ここまで読んで頂いている皆さん、深く深く感謝をしています。

現実的にCOVID-19から解放されることはないはずなので、その中で、この企画をどう揺らしていくのかは、一度この時勢で映像を撮ることが出来た後でも、まだまだ課題的意識の残るところだなと感じます。ただ、間違いなく場は開けました。その点、大きな前進である、と考えています。

「地名だけが古いままの 新しい地図」、mk-fesそのものだな、と思う時もあるし、
「次世代へ ただ真っ当に生きろと言い放てる時」はそもそも来るのかという疑問もあるし、

とかく、まだまだ前途多難であることは間違いないですが。

だから多少様々な境界線をあいまいにしつつ、物事を進めていくしかない。そういった意味での、『創造』なのであり、『接触』なのであり、そこに、『解放』が生まれるのだと思います。

今回はやってみて、色々言いたいことが多かったライブだったのだな......と気付かされます。以前と環境も大きく変わったので。ここからは安定期として、より、「音楽たのしい!!!!!!!!!!!!」を前面的に出せると良いな、というのが、個人的希望です。


世知辛い世をさすらう中でも、時代を語るのは自分次第。


結構この口上も、気に入っています。
他人のリリックを借りているからこその、美。ビューティフォー。

ビューティフルな、フェス。エブリバディ。


皆さま本当にお疲れ様でした。各位、カッコ良かったです。

また何処かで、嫌じゃない範囲で、お会い出来れば幸いです。


解放!!!!!!!!!


 










みこフェスからの解放って言ったやつ許さんからな。




< cast & staff >


秋月紫水
波輝
risa.
mioddd
りん
ななこ(夜明けトリビュート)
みのり(夜明けトリビュート)
透花。

永谷ちゃづけ
滝瀬航生
Maiko
有馬武蔵(wokome / 青幻燈)
若林宏明(駿河亭悪団治)
鈴木敦史

若松大誠
相原咲花
相川優希
石黒和輝
井上絹香
小野高弘
片川遥菜
川久保タクミ
河面志織
日下瞳
TOSHIHIDE ★ 行武
齋藤茉由子
澤木眞子
高橋RYO
田中裕大(ちんちんバスターズ)
前田ゆり佳
山田裕也
吉田実咲季
mks

小倉野絵(Special Thanks!!)
あやほ(Special Thanks!!)
彩夏(Special Thanks!!)
根本。(Special Thanks!! / ちんちんバスターズ)